我が社も何個か、自社サービスやスマホアプリを出しているのですが、
その制作の際の裏話を是非とも話して貰おうという事で、当時の製作スタッフに聞いてみましたよ。第1回目は自社開発した放置型RPG「絶対英雄伝」の制作秘話です。
▽登場する社員
佐 藤:元シェフと言う異色な経歴のシステムアナリスト
池 田:サッカー大好きなWEBディレクター
高 井:ゲームとお肉が大好きなフロントエンドプログラマー
■ゲームアプリの制作秘話
出井:
当時は少なかった放置型ゲームをRPG風にしたアプリの開発を2013年に行いました。
もうだいぶ昔の話になるんですけど、何か思い出とかありますか?
佐藤:
当時の制作スタッフは技術的には出来る人が多かったんですけど、とにかくゲーム作りが初めての人間なのでどこから作るかというのが本当に大変だったね。
池田:
そうですね、僕もディレクションしていましたが、ゲームは作った事がなかったので段取りが難しかった記憶があります。
佐藤:
僕も企画段階から入ったけど、放置型のRPGというのは当時面白かったよね。
池田:
そうですね、でもそもそもの案はもっと斬新でしたよ。
ちょっと前は就職難だったので、僕が放置したら勝手に企業から内定がくるアプリとか作ったら「ゆとり世代」に刺さるんじゃないかという案からですからね(笑)
佐藤:
そうそう、そんな馬鹿馬鹿しい話からだったと思う(笑)
池田:
そして、内定がきたら全てそれを「ザー」と手でフリックして断るという孤高のニートプレーも想定していました(笑)
■ゆとり世代の子が一番頑張ってくれた
佐藤:
でも当時の開発のF君が、やっぱり正統派のRPGで行きたいという事でいわゆる剣と魔法のファンタジー設定になったんだよね。
池田:
そうですね、やっぱ好きなもののパッションて凄くて、シナリオもほとんど彼が考えて、こっちは構成するだけという感じでした。ゆとり世代と言われる年代だったけど、本当に精力的にやってくれていました。プロモーションの関係でゆとり世代なのに頑張ったという感じで打ち出しちゃったので、後でちょっと悪かったなと思いましたけど。
佐藤:
F君は本当に凄い熱量でやってくれていたよね。元々、好きなモノにエンジニアスキルが加わるとこんなになるのかと言うほど、やってくれていたと思う。
池田:
今となっては当たり前かも知れませんが、当時はまだ社内では使った事が無かった「Cocos2D」というツールを使って表現をしていたし、いろいろチャレンジしている部分はありました。
佐藤:
アニメーションなどの演出部分はSさんが頑張ってくれて、形になったよね。
本当に当時は、ゲームアプリの作り方も分からない中だったけど、モノづくりが好きな連中が集まるとこうもやれるのかと思ったよ。
池田:
そういえばSさんは、キャラクターの名前にいろいろ使わせてもらいました。男性主人公の名前は彼のファーストネームだし、相方の男の子は彼のミドルネーム、女性主人公キャラの名前はSさんの娘さんから取りましたね。
佐藤:
ネーミングも、思い入れやペルソナ設定でいろいろ変わってくるからね。
■自社製アプリはユーザーの反応が面白い
池田:
そういえば高井さんはデバッグに参加してたよね。
高井:
そうです、自分もゲームは好きなので、どうしてもシナリオの台詞の部分とか細かいところも気になっちゃって、リテイクをお願いした覚えがあります。
池田:
確かに初めての経験が多くて、テキストの直しは膨大だった記憶がある。もともと個人でもゲームを作っていた高井さん的にはやっぱり気になる部分も多かっただろうね。
高井:
どうしてもデバッグという立場だと、あら探しがメインになってしまったけど、その後にユーザーから反響があったときは凄く嬉しかったですね。
池田:
そうそう、こんなゲームでも反応があるんだというのがうれしかったよ。今はもうサポートしてないけど、機会があったらまたチャレンジしたいよね。
佐藤:
いまやカジュアルゲームの開発も個人から会社単位に移りつつあるから。予算が大変だけどユーザーが納得できるものを出せるなら。またトライしてみたいよね。
池田:
想定しないユーザーの動きってあるけど、それほどユーザーがハマってくれる部分があると嬉しくなります。ゲームって一般のアプリやサービス以上にユーザーの動きを導くことが重要になっているので、独特のUI設計やガイド機能は他の分野でも参考になりました。
■次もし何かを作るとしたらどんなのがいいですか?
高井:
自分でもいまも作っていますが断然ゲームですね。僕は逆にプライベートだったらゲームしか作れないですね。業務でコードは打つけど、やっぱりやりたい事だと開発の進みも違うので。
佐藤:
もうスマートフォンが本格的に世に出てきて10年は経っているから、
大体のアプリは探せばあるので、これっというのは無いけど、
仮想通貨の元となるブロックチェーンやAI(人工知能)といった部分は、今後の実装で必要になってくるし、引き続き注目していきたい技術だね。
池田:
僕はゲームより、ある趣味に興味をもった人間を引き合わせる様なモノが作りたいですね。「nana」っていう音楽SNSがありますが、誰かが歌を投稿すると、それに合わせた伴奏を付けてくれたりしてくれるんです。ゲームや漫画でも、その趣味のコアプレイヤーと言われる人たちと引き合わせる仕組みがあると面白いなと考えています。
以上、事業ストーリーの第1回でした。
人に歴史ありと言いますが、いろんなサービスやシステムにも思いが詰まっていますね!