【社員インタビュー⑦】ロシア人を採用してみたら。名前通り、ロマンと夢がある青年だった。

当社では、常にと言うわけではないのですが、 ある一定レベルの技術力がある方にはアルバイト形態での雇用も実施しております。
今回は留学生という立場の為、社員雇用は難しいけど、プログラマとしてもっと成長したいというロシアから来たIT技術者ベジェンツエフ・ロマンさんを紹介いたします。
▽登場する社員
ロマン:当社初のロシア人プログラマー
■日本に来たきっかけ
 
 
出井:
まだまだ日本語のヒアリングは不慣れだと思いますが、私はロシア語はザギトワとピロシキしか知らないから日本語で進めてもいいですか?
ロマン:
オッケーデス、きいてください
※以下、原文通りだと読みずらいのでロマンさんが言った事をGoogle翻訳を駆使した口語体にして記します。
出井:
割と良く聞かれると思うんですが、日本に来たきっかけとか有るんですか?
ロマン:
元々はコンピューターグラフィックの勉強をしたかったので、日本に来てみたかったが 当時は日本語のレベルが足りなかったので諦めていました。
それでも、大学生になって2012年に一度、大学のプログラムで1カ月間の短期留学を東京で経験したり、その後も山口県の短大でショートステイの募集があったりしたので、何度か日本には来たことがありました。そして、2017年3月末には、3度目となる訪日。京都や大阪に桜の写真を撮りに自費で旅行に来て日本行きを強く意識しましたね。
出井:
その後、再度日本で留学するにあたっての資金はどうしたんですか?
ロマン:
2017年10月から福岡の語学学校に進むことになったんですが、資金のほとんどはそれまで働いていて貯めていた貯金でしたね。
学校に払う頭金と1年間の生活費のみで日本に来ました。福岡は外国人から見ても東京より家賃も安くて生活しやすいと感じていたので非常に好都合でした。
■外国人の就職活動の実態
出井:
当社を受ける前に、何社か面接に行ったとおもうのですが 何社くらい面接したんですか?
ロマン:
福岡に住み始めてからアルバイトの応募をネットで見てました。
もともと、ロシアの会社ではC++を使った制御プログラムを書いていたので 福岡のIT企業を中心に40社ほど応募しました。
出井:
来日2ヶ月で40社、結構アルバイト探しは苦労したんですか?
ロマン:
ほとんどの会社は、正社員を望む企業ばかりで パートタイムの条件ではなかなか採用してくれる会社は少なかったです。 英語のみの会話でもOKという企業も多かったんですが、 やはりボスが日本人だと日本語が有る程度出来ないと難色を示されてしまう印象です。
出井:
外国人の場合は求人情報はどういうところで探すんですか?
ロマン:
私が利用したのは、日本人みたいにリクナビとかではなくて ネイティブスピーカー向けの「daijob.com」や地元の「働くぞドットコム」「Indeed」「linkedin」といったところでした。 海外ではメジャーな求人SNSが、福岡ではまだまだ使っている人が少なかったのが誤算でしたね。
■ロシアのインターネット事情とは
出井:
先ほどのお話だと、ロシアでもインターネットによる求人や応募が主流の様ですけど、 なにか日本と違った部分とかあるんですか?
ロマン:
ロシアのインターネットはサイトによっては制限があるので つなげない米国のサイトにはVPNなどを使って外部接続しないとダメですね。 まだまだ、中国のようにFacebook、youtubeがブロックされるような事にはなっていませんが、最近の国際情勢が緊迫していますので、可能性はあります。
出井:
なんと、国が変わるとだいぶ環境も違いますね。 具体的にはどんなサイトに制限が有るんですか
ロマン:
具体的にはさっき求人で使ったといった求人SNS「linkedin」ですね。 ロシアのITエンジニアのほとんどは英文の原文で読むので、ほとんどのエンジニアは英語を話せます、なので、より好条件の仕事を求めて海外に行きたがる人間は多いです。 殆どはモスクワやサンクトペテルブルグなどの都市で好条件で働く人が多いが、技術者によっては求人SNSで探した方が高収入という事もあるので結構な人が海外転職していたようです。
出井:
米国とロシアというと、冷戦時には教科書にも出てくるライバル関係なので 規制はありそうですが、まさか求人SNSが禁止とは面白いです。
■ロシアのエンジニアの収入事情
出井:
ロシアのIT企業って、不勉強ながらセキュリティソフトの「カスペルスキー」位しかしらないのですが、、技術力が高い人はどういうところで働くんですか?
ロマン:
一般的に有名なロシアのIT企業はほぼないのですが、ロシアは近年、国際大学プログラミングコンテスト(ICPC)でほぼトップを走っていて有能なプログラマーは多いんですよ。 なので、米サンマイクロシステムズ、Dell、HPなどの米国企業や独シーメンスや韓国のLG、サムソンなど主要なグローバルIT企業はモスクワやサンクトペテルブルグに集結しています。
※2018年のICPCはモスクワ大学、モスクワ物理工科大学が1位、2位を独占
出井:
それだけ、優秀だと収入も結構良いんですか?
ロマン:
地域によるかと思います。 先ほど言った優秀なプログラマを多く輩出する大都市だと外国企業に入れば月収が100万の会社もあります。ただ地方だと月収4万円くらいですし、地方と都市の大きな会社だと開発環境も全く違います。技術者の質も都市と地方では全く違っていて、多くの地方のIT技術者は大都市に行きたがります。
出井:
月収100万円!!ボーナスが無かったとしてもロシアでは結構な高収入ですね。 それでも、シリコンバレーでは年収2000万円の技術者もいるので割安なのかもしれませんね。
ロマン:
そういった、能力が高い人はもう既に米国にスカウトされていると思います(笑)
■入社して感じた事
出井:
ロマンさんは過去入社した外国人の中では、どちらかと言うと日本語レベルは高くなかった方ですが仕事していて苦労した事とかありますか?
ロマン:
そうですねロシア語はもちろんですが、英語を話せるスタッフもそんなにいません。 ただ、みなさん暖かいので社員間のコミュニケーションで困ったことはないです。 欲を言うとメモリーがもっとあるPCが欲しいですが(笑)
出井:
技術的な問題点はどうしていますか?
ロマン:
技術的な不明点はインターネット上や書籍にほとんどあるので 基本的に困る事はないですが、この会社独自の仕様については 先輩の技術者に確認していますね。 でも、必ず自分で考えて調べた上で構築しています。
出井:
そういった自分で考えながら構築するって本当は基本ですが 類似コードを流用したりして意外に出来ていない人も多い印象です。
ロマン:
僕の場合、ロシアの石油関連システムに携わっていたのですが、 ほとんど独自コードで構築していかなければならなかったので自然と身に付きました。 ただ、WEBサービスだと変化が速くて戸惑いも多いです。 現在、GoogleのAndroidアプリを作っていますがスマートフォンアプリは初めての経験でもあり、ライブラリのバージョンアップも早くて、追いつくのが大変です。
■ロシアと日本の職場環境
 
 
出井:
日本とロシアって職場環境がずいぶん違うと思うのですが、どんな違いがあります?
ロマン:
今はアルバイトという身だからかもしれませんが、 比較するとロシアの方がストレスは高かったです。
出井:
日本以上に納期や要求水準が高いのですか?
ロマン:
それもありますが、制度や設備面が主ですね。 僕がいた地方企業の例ですが、ロシアのソフトウェア会社では、基本的にライセンスにお金を使いたがらないのでフリーウェアやOSSが基本です。 僕がいたところではWindwsサーバーも2003が現役でした。 プリンターも中古でなおかつ、ネットワークにもつながっていない事は日常です。
ロシアは基本的に残業がないのですが、納期やタスク状況によっては残業もあります。 その場合は多くは残業代の代わりに休みを与えるという事が多いですね。 日本と同じく中小企業はお金を払いたがりません(笑)
■今後やりたいこと
出井:
今後挑戦したい分野や技術ってありますか?
ロマン:
それならば、ゲームの開発を行ってみたい。 元々ロシアでプログラマを目指そうと思ったのは理由があって 最初はゲームを作りたいので、プログラマを目指しました。 高校のときには実際にゲームを一度作ったが未完成に終わったので 日本でその夢をもういちどかなえてみたいです。
出井:
弊社でもカジュアルゲームアプリの開発はやったことありますが、最近は殆ど作った事ないですね(汗)
ロマン:
技術的には、VR技術はどうしても興味があるので、そういった分野にも進めたらなと考えています。まずは日本語を頑張ります!
ということで、ロシア人で、しかもアルバイト入社という異例ながら 早くも活躍しているベジェンツエフ・ロマンさん のインタビューでした。
「言葉や、習慣は違うけどプログラムやコードで繋がれるって素敵やん」 と思ったITエンジニアのみなさん。是非とも御応募ください。
まだまだ経験者が足りません。
いまなら、もれなくロシア語の勉強も出来ます!スパシーバ!